自動車整備ソフトとは|できること・整備システムとの違い・導入の流れ
自動車整備ソフトとは、整備工場や車販店の見積、作業指示、請求、入金と、顧客と車両の台帳、車検満了日の管理を1つのデータの上で行う業務ソフトです。整備システムと呼ばれることも多く、日本カーネットの比較表には整備業向けの40製品が載っています。この記事では、これから初めて整備ソフトを入れる方と、表計算ソフトや手書きの伝票から切り替えを考えている方に向けて、整備ソフトでできること、整備システムとの言葉の違い、提供形態と契約形態の種類、導入までの流れを順に説明します。製品の名前や数字は、各メーカーの公式サイトと日本カーネットの比較表で確かめたものだけを使っています。
この記事で確認した一次情報:国土交通省(電子車検証)、国税庁(インボイス制度)、日本自動車整備振興会連合会、各メーカー公式サイト。集計は日本カーネットの比較表(40製品)によります。確認日は2026年10月です。
自動車整備ソフトとは(整備システムとの違い)
自動車整備ソフトとは、整備工場の受付から請求、次の入庫の案内までを、顧客と車両に結びついた1つのデータベースで処理する業務ソフトのことです。手書きの伝票や表計算ソフトで管理していた情報を1か所に集め、同じ内容を何度も入力しなくて済む状態をつくるのが目的です。「整備システム」もほぼ同じ意味で使われますが、整備ソフトがパソコンに入れるソフトそのものを指すことが多いのに対し、整備システムは作業点数や部品価格などの搭載データ、帳票、サポートの体制まで含めた仕組み全体を指すことが多い、という程度の違いです。日本カーネットが作成した比較表は、こうした製品を40製品並べ、他社切替時のCSV出力、アップデート、インボイス、IT導入補助金、OSS、電子車検証、訪問対応、ホームページの情報更新の8つを重要確認項目にしています。どちらの言葉で探しても、比べる項目は同じです。
| 呼び方 | 指すことが多い範囲 |
|---|---|
| 自動車整備ソフト、整備ソフト | パソコンやタブレットで使う業務ソフトそのもの |
| 自動車整備システム、整備システム | ソフトに加えて、搭載データ、帳票、サポート、アップデートまで含めた仕組み |
| 車両販売システム、車販ソフト | 中古車や新車の在庫、注文書、登録書類を扱うソフト。整備ソフトのオプションになっている製品もある |
整備ソフトでできること(顧客管理から車検案内まで)
整備ソフトでできることは、顧客と車両の管理、見積から請求までの伝票、車検と点検の案内、入金と売上の集計の4つに大きく分かれます。顧客と車両の管理では、登録番号、車台番号、型式、初度登録年月、車検満了日と過去の整備履歴を1つの画面で追えます。1人の顧客が何台も持っている場合や、車の持ち主が変わった場合も、履歴が途切れません。伝票では、見積で選んだ作業と部品が作業指示書、納品書、請求書に引き継がれるので、書き写しの手間と転記の誤りがなくなります。車検案内では、満了日から対象の車両を抽出し、はがきやSMSで案内を出せます。リピートの入庫が売上の土台になる整備工場にとって、この抽出がすぐにできるかどうかは毎月の仕事量に響きます。中古車を売る店では、在庫や注文書を扱う車両販売の機能を同じ製品で持てるかも確認点になります。
| 機能 | できること | 導入前に確かめること |
|---|---|---|
| 顧客と車両の管理 | 車両ごとの整備履歴、車検満了日、所有者の変更を記録 | いまの台帳から何件、どの項目を移せるか |
| 見積と伝票 | 見積から作業指示書、納品書、請求書まで同じデータで発行 | インボイスの登録番号と税率ごとの記載に対応しているか |
| 車検と点検の案内 | 満了日や点検時期で対象車を抽出し、はがきやSMSで案内 | 抽出の条件と、案内の出し方の種類 |
| 入金と集計 | 入金の消し込み、売掛の管理、月別や担当者別の売上 | 会計ソフトに渡す形式 |
| 車両販売 | 在庫、注文書、登録の書類 | 整備と同じ顧客台帳を使えるか |
車検案内の出し方の違いは車検案内はがき・SMS・LINEの使い分け、車検の業務全体は車検システムとはで詳しく扱っています。
搭載データ(作業点数・部品価格・諸元)の役割
整備ソフトの使い勝手に大きく響くのが、見積を作るときに呼び出す搭載データです。代表的なものは、日本自動車整備振興会連合会(日整連)の作業点数のデータ、純正部品の価格データ、型式や類別区分番号から車両を探す諸元データ、新車の価格と装備のデータ、リコールのデータです。作業点数のデータがあれば、整備士ごとに作業時間が違っても、工賃を同じ基準で計算できます。部品価格のデータがあれば、部品商に電話で値段を聞かずに見積へ取り込めます。日本カーネットの比較表で集計すると、40製品のうち日整連点数データの欄に○が付いているのは29製品、部品価格データは12製品、新車価格(装備価格)データは4製品でした。これらは年に何度も改定されるため、アップデートが契約に含まれるか、データ改定分が有料かも確かめます。CarRideのように標準作業点数や純正部品価格を月額のオプションにしている製品もあり、公式サイトでは料金が分けて表示されています。
| 搭載データ | 使う場面 | 比較表で○の製品数(40製品中) |
|---|---|---|
| 日整連点数データ | 工賃の計算 | 29 |
| 部品価格データ | 部品の見積 | 12 |
| 新車価格(装備価格)データ | 新車の見積と車販 | 4 |
制度への対応(インボイス・電子車検証・OSS)
整備ソフトには、税や車検の制度が変わるたびにアップデートで追いつく役割もあります。2023年10月に始まったインボイス制度では、請求書に登録番号や税率ごとの消費税額を載せる必要があり、日本カーネットの比較表でインボイスの欄に○が付いている製品は40製品中24製品です。2023年1月からは電子車検証の交付が始まり、車検証の情報をICタグから読み取って取り込めるかが入力の手間を左右します。比較表で電子車検証の欄に○が付いているのは19製品です。指定工場では、継続検査の申請を電子で行うOSS(ワンストップサービス)との連携も確認点になり、比較表のOSSの欄に○が付いているのは18製品でした。残りは「記載なし」で、未対応とは限りません。公式記載では、ブロードリーフがMaintenance.cで法制度の変更に追加費用なしで自動アップデートすると書き、EBEは整備システムの特長に車検証電子化とインボイス制度への対応を挙げています。
製品ごとの見分け方は電子車検証・OSSに対応した整備システムの見分け方にまとめています。
提供形態と契約形態の種類(ブラウザ型・インストール型)
整備ソフトの提供形態は、パソコンにソフトを入れて使うインストール型と、インターネットのブラウザから使うブラウザ型の2つに分かれます。日本カーネットの比較表では40製品のうちインストール型が36製品、ブラウザ型はMaintenance.c、JOCAR、CarRide、Car Store System Cloudの4製品です。インストール型でもデータをクラウドに置ける製品があり、DREAM POWERはインストール型でデータの設置場所は「クラウド / ローカル」です。契約形態は、5年か6年の期間で機器とソフトの費用をまとめて払うパック契約が中心で、比較表の40製品のうち30製品がパックだけの記載です。月払を選べる製品は6製品、買い切り(一括)は4製品でした。パック契約は月々の支払いを平らにできる一方、期間中に乗り換えると残りの支払いが残る場合があります。月払は途中で見直しやすいものの、最低利用期間と解約の条件は製品ごとに違います。
| 契約形態(比較表の記載) | 製品数(40製品中) | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| パックのみ | 30 | 5〜6年は同じ製品を使うと決めている |
| 月払を選べる | 6 | 最初は小さく始め、合わなければ見直したい |
| 買い切り(一括) | 4 | 帳票作成が中心で、更新の頻度が低くてよい |
提供形態の違いはブラウザ型とインストール型の整備システムの違い、費用の見方は整備ソフトの料金・費用相場で詳しく説明しています。
自動車整備ソフトを導入する流れ(7つの手順)
自動車整備ソフトの導入は、自社の条件を書き出すところから始めて、7つの手順で進めると比較と移行の両方で迷いにくくなります。最初に決めるのは、扱う業務の範囲(整備だけか、車販や鈑金も含むか)、同時に使う端末の台数、いまの台帳から移したいデータの有無、パックと月払のどちらを望むかの4つです。この4つが決まっていれば、各社に同じ前提で見積りを頼めます。条件があいまいなまま問い合わせると、各社がそれぞれ違う台数や違うオプションで見積りを出してきて、金額を並べても比べられません。候補は3製品前後に絞り、デモでは自社の顧客と車両で車検の見積を1件作って、かかる時間を測ります。データ移行と操作の練習の期間も見込み、月末の締めを新しいソフトで1回通してから旧来のやり方をやめると、請求の漏れを防げます。
1. 自社の条件を書き出す
業務の範囲、端末の台数、移したいデータ、契約形態の希望を決めます。
2. 比較表で候補を絞る
重要確認項目8つのうち、自社で外せない項目を満たす製品を3つ前後に絞ります。
3. デモを受ける
自社の車両で車検の見積を1件作り、操作の手数と時間を確かめます。
4. 同じ条件で見積りを取る
台数、搭載データ、サポート、データ移行を揃えて各社に依頼します。
5. 契約と補助金の確認
補助金を使う場合は交付決定を待ってから契約します。
6. データ移行と練習
顧客と車両のデータを移し、受付と請求の操作を練習します。
7. 本番の運用
月末の締めと車検案内を新しいソフトで通してから、旧来の管理をやめます。
見積りの揃え方は自動車整備ソフトの比較方法と10項目チェックリスト、補助金の手順は整備ソフトの導入に使える補助金で解説しています。
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初めて整備ソフトを入れる工場にも、乗り換えを考えている工場にも、比較表の40製品から業務の範囲と台数に合う候補を整理してご案内します。用語が分からない段階からでもご相談いただけます。
自動車整備ソフトに関するよくある質問
- 自動車整備ソフトと整備システムは同じものですか?
- ほぼ同じ意味で使われます。整備ソフトはパソコンに入れる業務ソフトそのものを指すことが多く、整備システムは搭載データやサポート、帳票の仕組みまで含めた全体を指すことが多い、という程度の違いです。どちらの言葉で探しても、比べる項目は変わりません。
- 表計算ソフトの管理から整備ソフトに替えると何が変わりますか?
- 見積で入れた作業と部品が、作業指示書、納品書、請求書にそのまま流れるので、帳票ごとの書き写しがなくなります。車検満了日で対象車を抽出して案内を出せるようになり、ベテランの記憶に頼っていた顧客ごとの整備履歴も、誰でも同じ画面で見られるようになります。
- 整備ソフトの搭載データとは何ですか?
- 見積を作るときに呼び出す作業点数、部品価格、車両の諸元などのデータのことです。日本カーネットの比較表では、40製品のうち日整連点数データに○が付いているのは29製品、部品価格データは12製品、新車価格(装備価格)データは4製品です。基本料金に含まれるか別料金かは製品ごとに違うため、見積書で確かめます。
- 小さな整備工場でも整備ソフトは必要ですか?
- 工場の規模より、車検案内や請求書の作成にかかっている手間で判断するのが現実的です。日本カーネットの比較表では、導入規模を「小規模」だけとしている製品が6製品あり、導入規模に小規模を含む製品は40製品中36製品です。使う人数と端末の台数を先に決めると、過不足のないプランを選べます。
- 導入までにどのくらいの期間を見ておけばよいですか?
- 製品の比較から本番の運用までは、候補の絞り込み、デモ、見積り、契約、データ移行、操作の練習の順に進みます。データ移行がある場合や補助金を使う場合は、移行作業や交付決定を待つ期間が加わります。月末の締めを新しいソフトで1回通すまでを導入期間と考えると、計画を立てやすくなります。
- 整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
- 車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。
参考にした一次情報
この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月確認)。製品の記載は各メーカー公式サイトと日本カーネットの比較表によります。
- 国土交通省 電子車検証特設サイト:https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/about/
- 国税庁 インボイス制度について:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
- 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会:https://www.jaspa.or.jp/
- ブロードリーフ Maintenance.c:https://next.broadleaf.co.jp/product-maintenance_c/
- CarRide 整備ソフト カーライド:https://car-ride.net/
- EBE 整備システム:https://www.e-b-e.co.jp/seibi
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