整備ソフトの導入に使える補助金|デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象と流れ
整備ソフトや整備システムの導入費用には、国の「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)を使えることがあります。2026年度は通常枠のほか、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠などがあり、整備ソフトの多くは通常枠かインボイス枠(インボイス対応類型)で申請します。ただし対象になるのは事務局に登録されたITツールだけで、交付決定の前に契約した分は補助を受けられません。この記事では、公式サイトに載っている2026年度の補助率、補助額、対象経費、手続きの順番を整理し、整備工場や車販店が補助金を前提に製品を選ぶときに確かめておきたいことをまとめます。
この記事で確認した一次情報:デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト(通常枠、インボイス枠、事業スケジュール、申請フロー、交付決定後の手続き、申請の対象となる方)、各メーカーの公式サイト。確認日は2026年10月です。制度は年度ごとに変わるため、申請の前に必ず最新の公募要領を確認してください。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは
デジタル化・AI導入補助金とは、中小企業と小規模事業者が業務の効率化やDXのためにソフトウェアやサービスを入れる費用の一部を国が補助する制度で、2026年度の事業名は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」です。独立行政法人中小企業基盤整備機構と中小企業庁の監督のもと、TOPPAN株式会社が事務局を運営しています。長くIT導入補助金の名前で知られてきたため、整備ソフトのメーカーの案内でも両方の名前が使われています。申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つです。整備ソフトで使われるのは、主に通常枠とインボイス対応類型の2つになります。対象は日本国内で事業を営む中小企業と小規模事業者で、資本金か従業員数のどちらかが業種ごとの基準以下であれば申請できます。
| 業種の区分(公式サイトの表から抜粋) | 資本金 | 常時使用する従業員 |
|---|---|---|
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| 小規模事業者(商業、サービス業。宿泊業と娯楽業を除く) | - | 5人以下 |
整備業と中古車販売を兼ねている会社は、主たる業種がどちらに当たるかで基準が変わります。公式サイトの「申請対象者チェッカー」で組織形態と業種を入れると要件を確かめられます。制度の全体や過去の採択の傾向は、日本カーネットのデジタル化・AI導入補助金の解説サイトでも詳しく扱っています。
整備ソフトで使う申請枠と補助率(通常枠・インボイス枠)
整備ソフトの申請で比べるのは、通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)の補助率と補助額です。通常枠の補助率は1/2以内で、令和6年10月から令和7年9月までに3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇っている従業員が全従業員の30%以上いる場合は2/3以内になります。補助額は、業務プロセスが1つ以上なら5万円以上150万円未満、4つ以上なら150万円以上450万円以下です。インボイス対応類型は、インボイス制度に対応し「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトが対象で、補助額50万円以下の部分は中小企業3/4以内、小規模事業者4/5以内、50万円を超える部分は2/3以内です。50万円超で申請するときは、3つの機能のうち2つ以上が要ります。どちらの枠で登録されているかは製品ごとに違うため、販売店に「通常枠とインボイス枠のどちらで登録されているか」を聞くのが早道です。
| 項目 | 通常枠 | インボイス枠(インボイス対応類型) |
|---|---|---|
| 補助率 | 1/2以内(条件を満たせば2/3以内) | 50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内 |
| 補助額 | 1プロセス以上:5万円以上150万円未満 4プロセス以上:150万円以上450万円以下 | ソフトウェア:50万円以下、50万円超〜350万円以下 |
| ソフトウェアの要件 | 業務プロセスを1種類以上持つこと(汎用プロセスのみは不可) | インボイス制度に対応し、会計、受発注、決済のうち1機能以上(50万円超は2機能以上) |
| ハードウェア | 対象外 | PC、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機は1/2以内で10万円以下。POSレジと券売機は1/2以内で20万円以下 |
補助率は補助額の段階ごとに変わるため、見積額に一律の率を掛けても見込額にはなりません。インボイス対応類型で補助額が50万円を超えるときは、50万円までの部分に3/4(小規模事業者は4/5)、超えた部分に2/3が当てはまります。自社の見込額は、公式サイトの枠ごとのページにある補助金シミュレーターで試算し、販売店にも同じ条件で計算してもらうと食い違いに気づけます。
補助の対象になる経費と対象外の費用
通常枠で必ず含めるのは、ソフトウェアの購入費か、クラウド利用料の最大2年分です。これに加えて、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティのソフトウェアと、導入コンサルティング、導入設定やマニュアル作成、導入研修、保守サポートといった役務を対象にできます。一方、通常枠ではパソコンなどのハードウェアは対象外です。整備システムの見積書には、本体のライセンス、データベースの利用料、端末の追加、データ移行、訪問設定、保守料が並ぶことが多く、どの行が対象経費に入り、どの行が自己負担として残るのかを1行ずつ確かめないと、補助後の負担額を読み違えます。月払の製品では2年を超える分の利用料は自己負担になり、5年や6年のパック契約では契約全体のうち補助の対象になる範囲を販売店に示してもらう必要があります。データ移行の費用が役務として対象になるかも、見積りの段階で聞いておきます。
| 見積書によくある項目 | 通常枠での扱いの目安 | 確かめること |
|---|---|---|
| ソフトウェアのライセンス、購入費 | 必須経費として対象 | 登録されたITツールの型番、プランと一致しているか |
| クラウドの利用料(月額) | 最大2年分まで対象 | 3年目以降の月額と、途中解約時の扱い |
| 導入設定、マニュアル、研修 | 役務として対象 | 訪問の回数と、追加訪問の費用 |
| 保守サポート | 役務として対象 | 対象になる期間と、期間後の保守料 |
| パソコン、プリンター | 通常枠では対象外 | インボイス対応類型で申請するか |
整備ソフトの費用の内訳と、5年総額での比べ方は整備ソフトの料金・費用相場で詳しく説明しています。
申請から効果報告までの流れ(GビズIDと交付決定)
申請の流れは公式サイトでSTEP01からSTEP09までに分けられていて、整備工場が最初にやるのはGビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言です。GビズIDプライムは発行までおおむね2週間、SECURITY ACTIONの宣言済アカウントIDはおおむね2〜3日かかると公式に書かれています。SECURITY ACTIONは情報処理推進機構(IPA)の制度で、「★一つ星」か「★★二つ星」の宣言が要件です。いちばん注意したいのはSTEP06で、ITツールの発注、契約、支払いは事務局から交付決定を受けた後に行います。交付決定の前に発注や契約、支払いをすると補助金を受けられません。導入を急いで先に契約してしまう例は毎年あるので、販売店とスケジュールを合わせておきます。補助事業が終わったら支払いの証憑で事業実績報告を出し、補助金額を承認したあと、定められた期間に事業実施効果報告を提出します。
STEP01 制度の理解
公式サイトと公募要領で、申請枠と補助率、対象経費を確かめます。
STEP02 GビズIDプライムとSECURITY ACTION
GビズIDプライムは発行までおおむね2週間。SECURITY ACTIONは一つ星か二つ星を宣言します。
STEP03 IT導入支援事業者とITツールの選定
販売店が支援事業者として登録されているか、検討中のプランが登録ITツールかを確かめます。
STEP04 交付申請
支援事業者から申請マイページの招待を受け、基本情報と書類を入力して宣誓のうえ提出します。
STEP05 交付決定
審査が終わると交付決定の通知が届き、補助事業を始められます。
STEP06 発注、契約、支払い
交付決定の後に行います。交付決定前の発注、契約、支払いは補助の対象外です。
STEP07 事業実績報告
発注、納品、支払いが分かる証憑を出します。ITツールの利用が始まっている必要があります。
STEP08 補助金額の確認と承認
申請マイページで確定検査の結果を確かめ、SMS認証で承認します。
STEP09 事業実施効果報告
定められた期限内に提出します。賃上げ目標が要件の枠で未達成の場合などは返還を求められます。
2026年度の締切と事業実施期間
2026年度の交付申請は2026年3月30日に始まり、公式の事業スケジュールに載っている通常枠とインボイス枠の6次締切は2026年10月30日(金)17時です。この回の交付決定は2026年12月10日の予定で、事業実施期間と事業実績報告の期限はどちらも2027年5月31日17時の予定です。複数者連携デジタル化・AI導入枠は締切の回数が少なく、10月30日の締切が3次にあたります。6次より後の回については、公式サイトの事業スケジュールで告知を確かめてください。逆算すると、10月30日の締切に間に合わせるには、GビズIDプライムの発行にかかる約2週間と、販売店との見積りや事業計画のやり取りの時間を見込んで、遅くとも10月の上旬には動き出す必要があります。交付決定の後は、2027年5月末までに導入と支払いを終え、報告まで済ませる日程になります。
| 2026年度(6次締切分) | 日付(公式の事業スケジュール) |
|---|---|
| 交付申請の開始 | 2026年3月30日(月) |
| 締切(通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠) | 2026年10月30日(金)17:00 |
| 交付決定 | 2026年12月10日(木)予定 |
| 事業実施期間 | 交付決定〜2027年5月31日(月)17:00 予定 |
| 事業実績報告の期限 | 2027年5月31日(月)17:00 予定 |
整備システムの補助金対応を確かめる方法
整備システムが補助金の対象かどうかは、メーカーの公式サイトで確かめられることが多くあります。ブロードリーフは「登録済みITツール」の一覧(2026年5月22日現在)にMaintenance.cのスタートパック、標準パック、認証工場パック、指定工場パックなどを載せています。EBEは整備システムのページで、デジタル化・AI導入補助金2026の対象製品に「EBE整備システムV9」を挙げています。CarRideは公式マニュアルサイトで、有料版が「インボイス枠(インボイス対応類型)(50万円以下)」に該当し、有料版は最大2年分が補助対象と案内しています。ベルティスは2026年4月1日のプレスリリースで、extremeなどが補助対象ツールとして登録されていると告知しています。日本カーネットの比較表では、IT導入補助金の欄に○が付いている製品は40製品中24製品ですが、作成時点の記載なので、2026年度の登録は改めて確かめます。
補助金ありきで製品を選ばない
補助が出ることと、その製品が自社の業務に合うことは別の話です。補助を受けたいがために使わない機能のプランを選んだり、5年や6年の契約を結んだりすると、補助額より大きな負担が残ることがあります。先に自社の条件で候補を2〜3製品に絞り、その中で登録ITツールかどうかを確かめる順番にすると判断を誤りにくくなります。比べ方は自動車整備ソフトの比較方法と10項目チェックリストで解説しています。
インボイス対応類型で申請する場合は、そのソフトがインボイス制度に対応しているかに加えて、会計、受発注、決済のどの機能で登録されているかも確認します。電子車検証やOSSへの対応は補助の要件ではありませんが、整備システムを選ぶうえでは外せない項目なので、電子車検証・OSSに対応した整備システムの見分け方もあわせてご覧ください。
全40製品の整備システム比較表を無料でダウンロード
比較表には、40製品それぞれのIT導入補助金の対象かどうかの記載と、契約形態、最低契約期間を載せています。補助金を使う前提で候補を絞りたい場合は、専門家への無料相談で、締切から逆算した進め方も含めてご案内します。
整備ソフトの補助金に関するよくある質問
- 整備ソフトはデジタル化・AI導入補助金の対象になりますか?
- 対象になるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールだけです。製品のジャンルで決まるわけではないため、同じメーカーでもプランによって登録の有無が分かれることがあります。公式サイトの「ITツール検索」か販売店への確認で、検討中の構成が登録されているかを確かめてください。
- IT導入補助金とデジタル化・AI導入補助金は別の制度ですか?
- 2026年度は事業名が「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」となり、公式サイトでは「デジタル化・AI導入補助金2026」と表記されています。過年度のIT導入補助金を引き継ぐ制度で、公式サイトの問い合わせ欄にも「デジタル化・AI導入補助金/IT導入補助金2025・2024・2023後期 事務局」と両方の名前が並んでいます。ネットの記事は旧名称のまま古い補助率を書いていることがあるので、数字は当年度の公式ページで確かめます。
- パソコンやタブレットも補助の対象になりますか?
- 通常枠ではハードウェアは対象外です。インボイス枠(インボイス対応類型)では、PC、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機が補助率1/2以内、補助額10万円以下で対象になります。ソフトウェアの使用に資するものであることが条件で、ハードウェアだけの申請はできません。
- 月払の整備システムでも補助金は使えますか?
- 通常枠ではクラウド利用料が最大2年分まで対象経費に入ります。月払の製品でも、登録されたITツールであれば申請の対象になり得ます。ただし交付決定後に導入したITツールを解約したり利用を止めたりした場合は、申請マイページから辞退の手続きが必要になると公式サイトに書かれています。
- 申請は整備工場が自分で行うのですか?
- 申請者は導入する事業者ですが、交付申請はIT導入支援事業者と共同で作成します。IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受け、基本情報の入力と書類の添付を自社で行い、ITツールの情報と事業計画値は支援事業者が入力します。最後の宣誓と提出は自社で行います。
- 整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
- 車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。
参考にした一次情報
この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月確認)。製品の記載は各メーカー公式サイトと日本カーネットの比較表によります。
- デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト:https://it-shien.smrj.go.jp/
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠:https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/
- デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型):https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbase/
- デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール:https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
- デジタル化・AI導入補助金2026 新規申請・手続きフロー詳細:https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/flow/
- デジタル化・AI導入補助金2026 交付決定後に必要な手続き:https://it-shien.smrj.go.jp/aftergrantdecision/measures/
- デジタル化・AI導入補助金2026 申請の対象となる方:https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/
- ブロードリーフ 補助金・助成金(登録済みITツール):https://www.broadleaf.co.jp/products/merit/subsidy.html
- EBE 整備システム:https://www.e-b-e.co.jp/seibi
- CarRide デジタル化・AI導入補助金2026の案内:https://manual-site.net/ai_hojyo_2026
- ベルティス プレスリリース(2026年4月1日):https://www.vertice.jp/press-release/detail.php?code=136
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