指定工場と認証工場の違い|車検の流れ・条件・民間車検と必要な業務システム

指定工場と認証工場の違いは、自社で車検の検査まで完結できるかどうかです。指定工場は自動車検査員が検査して保安基準適合証を交付でき、認証工場は車を国の検査場へ持ち込みます。この記事では、車検の流れ、人と設備の条件、認証から指定へ進む手順を国土交通省の資料で比べ、整備システムで変わる機能まで説明します。

この記事で確認した一次情報:国土交通省「指定自動車整備事業制度について」、関東運輸局の認証の案内資料。確認日は2026年11月です。条件の細部は事業場の規模や扱う車種で変わるため、管轄の運輸支局で確かめてください。

指定工場と認証工場の違い(早見表)

指定工場と認証工場の違いは、担当する範囲です。認証工場は整備までを行い、指定工場は整備に加えて検査と証明まで行う工場です。国土交通省は、指定自動車整備事業者を、点検整備を行い、自動車検査員の検査結果をもとに保安基準への適合を証明して保安基準適合証を交付できる事業者と説明しています。指定は認証の上に乗る制度なので、指定工場はすべて認証も受けています。どちらも事業場ごとに地方運輸局長から受けるもので、工場の良し悪しを順位づける区分ではありません。お客様にとっては、車を預ける日数と検査の場所が変わります。

項目認証工場指定工場
根拠道路運送車両法第78条の認証認証に加えて指定自動車整備事業の指定
工員2人以上4人以上(大型車を扱う場合は条件により5人以上)
整備士従業員数を4で割った数以上工員の3分の1以上
検査の担当国の検査場選任した自動車検査員
保安基準適合証交付できない交付できる
場所屋内作業場と車両置場屋内作業場、車両置場、完成検査場

車検の流れの違い(持ち込みと保安基準適合証)

車検の流れで違うのは、点検整備のあとです。認証工場は整備を終えた車を運輸支局や軽自動車検査協会の検査場へ持ち込み、検査を受けます。指定工場は自社の完成検査場で自動車検査員が検査し、保安基準適合証を交付します。国土交通省によると、適合証の提出があれば継続検査などで国の検査場への現車の提示を省略できます。適合証の有効期間は検査をした日から15日間です。工場の段取りとしては、認証工場は検査場の予約と持ち込みの時間、指定工場は検査員の確保と記録の管理に手がかかります。

  1. 認証工場の流れ

    受付、点検整備、記録簿の作成、検査場の予約と持ち込み、車検証と検査標章の受け取り、納車。

  2. 指定工場の流れ

    受付、点検整備、自動車検査員の検査、適合証の交付、申請(OSSまたは窓口)、車検証と検査標章の受け取り、納車。

指定工場の条件(認証に加えて必要なもの)

指定工場になるには、認証を受けていることに加えて、設備、技術、管理組織、検査設備、自動車検査員の条件を満たします。国土交通省の案内では、優良自動車整備事業者認定規則で定める設備、技術、管理組織を備え、指定自動車整備事業規則で定める検査の設備を持ち、自動車検査員を選任していることが挙げられています。工員は4人以上で、大型車を扱う場合は条件により5人以上です。そのうち3分の1以上が整備士の資格を持つ必要があります。自動車検査員は、整備主任者としての実務経験が1年以上(一級自動車整備士は6か月以上)あり、地方運輸局長の教習を修了した人から選びます。

  • 認証を受けていること
  • 屋内作業場、車両置場、完成検査場があること
  • 検査の設備をそろえていること
  • 工員数と整備士の割合を満たすこと
  • 自動車検査員を選任していること

認証工場から指定工場へ進むときの手順と判断

認証工場から指定工場へ進むかどうかは、車検の台数と、検査員を置き続けられるかで考えます。申請書は事業場を管轄する運輸支局へ提出し、運輸支局の形式審査と地方運輸局の内容審査を経て、指定の決定までは申請後約45日と案内されています。一方で、指定の後は検査員の不在に備える体制と、検査の記録を残す管理が欠かせません。完成検査の一部を行わずに適合証を交付して、指定を取り消された例も公表されています。人員と場所の余裕がないまま進めず、検査場への持ち込みにかかる時間と比べて判断してください。

指定工場と認証工場のお客様への説明の違い

お客様に伝えるときは、制度の名前より、預かる日数と検査の場所で説明すると伝わります。指定工場なら自社で検査まで行うので、検査場の予約や混み具合に左右されにくく、整備の段取りに合わせて日程を組めます。認証工場は検査場へ持ち込むので、予約の取れた日に合わせて預かる日を決めます。検査場が遠い地域では、移動の時間も見込みます。どちらの場合も、検査の基準は同じ保安基準です。指定工場だから検査が甘い、認証工場だから厳しい、といった説明はしないようにしてください。

工場の状況向いている形
車検の台数が多く、検査場への往復が負担指定工場を検討する
検査員を複数の人で担える指定工場を検討する
少人数で、車検より一般整備が中心認証工場のまま続ける
検査場が近く、持ち込みの負担が小さい認証工場のまま続ける

指定工場と認証工場で変わる整備システムの機能

整備システムで差が出るのは、適合証、指定整備記録簿、OSSの3つです。指定工場では適合証の発行と電子保適、指定整備記録簿の作成と保存、継続検査のOSS申請を1つの流れで行えるかを確かめます。指定整備記録簿の保存期間は2年です。認証工場は検査場の予約に合わせた書類の印刷と点検整備記録簿の管理が中心なので、指定工場向けの機能が要らない場合もあります。日本カーネットの比較表では、OSSへの対応に○が付く製品は40製品中18製品です。指定工場へ進む予定があるなら、今は使わなくても対応しているかを見ておくと、後からの乗り換えを避けられます。

全40製品の整備システム比較表を無料でダウンロード

指定工場と認証工場で必要な機能は変わります。40製品の比較表で、OSSや電子車検証の対応を確かめられます。

比較表をダウンロード(無料)専門家に無料で相談する

指定工場と認証工場に関するよくある質問

指定工場と認証工場の一番の違いは何ですか?
保安基準適合証を交付できるかどうかです。指定工場は自動車検査員の検査をもとに適合証を交付でき、継続検査などで国の検査場への現車の提示を省略できます。
民間車検とは指定工場のことですか?
一般に民間車検場と呼ばれるのが指定工場です。民間車検場とはで仕組みを説明しています。
認証工場を飛ばして指定工場になれますか?
なれません。指定の前提として自動車特定整備事業の認証を受けている必要があります。
指定の申請から決定までどのくらいかかりますか?
国土交通省の案内では、申請後約45日です。申請書は事業場を管轄する運輸支局へ提出します。
自動車検査員になるには何が必要ですか?
整備主任者としての実務経験が1年以上(一級自動車整備士は6か月以上)あり、地方運輸局長が行う教習を修了した人の中から選任します。
整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。

参考にした一次情報

全40製品の整備システム比較表(無料)

提供形態・契約形態・最低契約期間・データ移行など、整備ソフト選びで確認すべき項目を1つの表にまとめました。自社に合うかは専門家に無料で相談できます。

比較表をダウンロード(無料)専門家に無料で相談する