認証工場とは|条件(従業員・整備士・作業場)とできること、指定工場との違い

認証工場とは、地方運輸局長の認証を受けて、自動車の特定整備を行う事業場のことです。街の整備工場の多くがこの区分に入ります。この記事では、認証に必要な従業員と整備士の人数、作業場の寸法、整備主任者の資格を関東運輸局の資料で整理し、車検でできる範囲、指定工場との違い、認証工場の業務を支える整備システムの選び方までを説明します。

この記事で確認した一次情報:関東運輸局「自動車整備事業を経営するには」の案内資料、国土交通省「指定自動車整備事業制度について」、e-Gov法令検索の道路運送車両法。確認日は2026年11月です。作業場の寸法は対象とする車種で変わるため、申請の前に管轄の運輸支局で確かめてください。

認証工場とは(道路運送車両法第78条の認証)

認証工場とは、道路運送車両法第78条にもとづいて、事業場ごとに地方運輸局長の認証を受けた整備工場を指します。ブレーキやエンジンなどを取り外して行う分解整備と、衝突被害軽減ブレーキのカメラ調整などの電子制御装置整備を合わせて特定整備と呼び、これを事業として行うには認証が要ります。2020年4月に特定整備の制度が始まる前は、分解整備の認証と呼ばれていました。古い資料に「分解整備事業」とあるのはこのためです。認証は会社ではなく事業場が単位なので、2拠点で特定整備を行うなら拠点ごとに受けます。特定整備の詳しい作業範囲は特定整備の認証の取り方で扱っています。

認証工場の条件(従業員・整備士・整備主任者)

認証工場の人の条件は、従業員の数、整備士の数、整備主任者の3つです。関東運輸局の資料によると、事業場には特定整備に従事する従業員が2人以上必要で、少なくとも1人は一級または二級の自動車整備士でなければなりません。さらに、一級、二級、三級の整備士の合計が従業員数を4で割った数(端数は1に切り上げ)以上であることが求められます。つまり従業員が5人になると整備士は2人以上要ります。事業場ごとに届け出る整備主任者は、分解整備なら一級か二級の整備士です。電子制御装置整備も行う場合は、国土交通大臣が定める講習の受講も条件になります。

従業員数必要な整備士数
2〜4人1人以上
5〜8人2人以上
9〜12人3人以上
13〜16人4人以上

認証工場の条件(作業場の寸法と設備)

認証工場の場所の条件は、同じ敷地に必要な広さの作業場と車両置場があることです。関東運輸局の資料では、普通自動車(乗用)と小型四輪自動車を対象とする分解整備の例として、次の寸法が示されています。寸法は間口と奥行きの有効な部分で測るため、柱があると足りなくなることがあります。電子制御装置整備では別に点検整備作業場の基準があり、車両整備作業場や点検作業場と兼用できます。床は平滑に舗装されていることが条件です。あわせて、土地や建物が建築基準法、消防法、条例の規制に合うかも事前に確かめます。工場の図面の考え方は整備工場のレイアウトと図面の描き方が参考になります。

場所基準(普通自動車〈乗用〉などの例)
車両整備作業場間口4.0m以上、奥行き8.0m以上
点検作業場間口4.0m以上、奥行き8.0m以上
部品整備作業場8㎡以上
車両置場間口3.0m以上、奥行き5.5m以上
電子制御装置点検整備作業場間口2.5m以上、奥行き6.0m以上(兼用できる)

設備は、対象とする装置ごとに必要な作業機械等が決まっています。すべての装置を対象にする場合は、すべての作業機械等が必要です。分解整備と電子制御装置整備を両方行うときは、それぞれの設備をそろえます。

認証工場でできること、できないこと(車検との関係)

認証工場は特定整備と車検前の点検整備ができますが、自社で保安基準適合証を交付することはできません。そのため車検では、工場で点検と整備を終えた車を運輸支局や軽自動車検査協会の検査場へ持ち込み、国の検査を受けます。ここが指定工場との一番の違いです。一方で、お客様から預かって点検整備記録簿を作り、車検を受けるところまで代行する形は認証工場でも広く行われています。お客様に説明するときは、検査場に持ち込む日程の分だけ預かる期間が変わることを先に伝えておくと、入庫の予約を組みやすくなります。

業務認証工場指定工場
特定整備できるできる
点検整備記録簿の作成作成する作成する
保安基準適合証の交付できないできる
車検時の検査検査場へ持ち込む自社の検査員が検査し、現車の提示を省略できる
指定整備記録簿使わない作成して保存する

指定工場の条件や業務の違いは指定工場と認証工場の違いにまとめています。

認証工場になるまでの流れ

認証工場になるには、基準を満たす場所と人をそろえてから、運輸支局を経由して地方運輸局長へ申請します。関東運輸局の資料では、申請書のほか、法人なら登記簿謄本など申請者と役員を特定できる書面を提出すると案内されています。必要な書類は運輸局ごとに案内があるので、物件を契約する前に管轄の運輸支局へ図面を持って相談すると、寸法の不足で手戻りになる事態を防げます。

  1. 1. 対象の車種と装置を決める

    どの車種のどの装置を扱うかで、作業場の寸法と設備が決まります。

  2. 2. 場所を確かめる

    寸法に加えて建築基準法、消防法、条例の規制も確かめます。

  3. 3. 人をそろえる

    従業員、整備士、整備主任者の条件を満たします。

  4. 4. 設備をそろえる

    対象の装置に必要な作業機械等を用意します。

  5. 5. 運輸支局へ申請する

    書類を出して審査を受けます。

認証工場の申請前に確かめるチェックリスト

認証の申請で手戻りが起きやすいのは、物件を決めたあとで寸法や用途の問題が分かるときです。次の項目を、契約の前に確かめてください。特に作業場の寸法は、図面の数字ではなく柱や設備を除いた有効な部分で測ります。従業員の人数は、特定整備に従事する人で数えるので、受付や事務だけの人を足しても条件を満たしません。整備主任者が退職すると条件を欠くおそれがあるため、代わりになる人がいるかも考えておきます。

確かめること見るところ
作業場間口と奥行きが有効な寸法で足りるか。床は舗装されているか
車両置場同じ敷地にあり、作業場と別に確保できるか
法令建築基準法、消防法、条例の規制に合うか
人特定整備に従事する従業員が2人以上で、整備士の数を満たすか
整備主任者資格があり、必要な講習を受けているか
設備対象の装置に必要な作業機械等がそろうか

認証工場の業務と整備システムの選び方

認証工場が整備システムで確かめたいのは、見積と請求、点検整備記録簿、車検案内の3つが1つの顧客データでつながるかです。認証工場は検査場へ車を持ち込むため、指定工場向けの適合証やOSSの機能は使わないことが多く、機能を多く積んだプランが合うとは限りません。少人数の工場なら、同時に使う端末の台数と、作業点数などのデータが基本料金に入るかも見ます。日本カーネットの比較表では、40製品を提供形態、契約形態、インボイス、OSS、電子車検証などの項目で並べています。認証工場向けのパックを用意している製品もあるので、指定工場へ進む予定があるかも含めて候補を絞ってください。

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認証工場に関するよくある質問

認証工場とは何ですか?
道路運送車両法第78条にもとづき、地方運輸局長の認証を受けて自動車の特定整備を行う事業場のことです。認証は事業場ごとに受けます。
認証工場の条件は何人から満たせますか?
特定整備に従事する従業員が2人以上必要です。2〜4人なら整備士は1人以上で、そのうち少なくとも1人は一級または二級の整備士です。1人で始められるかどうかの考え方は認証工場は1人で開業できるかで説明しています。
認証工場で車検は受けられますか?
点検と整備はできます。ただし自社で保安基準適合証は出せないため、車両を運輸支局や軽自動車検査協会の検査場へ持ち込んで検査を受けます。
認証工場と指定工場はどちらが良い工場ですか?
制度上できることが違うだけで、工場の良し悪しを示す区分ではありません。指定工場は認証に加えて検査の設備と自動車検査員を備え、適合証を交付できます。
タイヤやオイルの交換だけでも認証は要りますか?
認証が要るのは特定整備にあたる作業です。どの作業が該当するかは運輸局の資料や管轄の運輸支局で確かめてください。
整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。

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