中古車販売管理システムの選び方|在庫・粗利・支払総額表示・書類作成

中古車販売管理システムは、仕入れた車両を在庫として登録し、1台ごとの原価と粗利、店頭や掲載サイトの価格表示、注文書と登録の書類、納車後の入金までをつなぐ仕組みです。整備ソフトと画面が似ていても、管理の単位が「作業」から「車両1台」に変わるため、選び方の軸も変わります。2023年10月1日からは中古車の価格を支払総額で表示することになり、2026年3月31日には環境性能割が廃止されました。この記事では、自動車公正取引協議会の資料と古物営業法の条文を確かめたうえで、中古車販売店と、車販も行う整備工場がシステムを選ぶときの確認点を整理します。

この記事で確認した一次情報:自動車公正取引協議会(中古車の支払総額表示)、日本中古自動車販売協会連合会(環境性能割の廃止)、e-Gov法令検索(古物営業法)、各メーカーの公式サイト。確認日は2026年10月です。

中古車販売管理システムとは(整備ソフトとの違い)

中古車販売管理システムとは、オークションや下取り、買取で仕入れた車両を1台ずつ在庫として登録し、仕入から販売、登録、納車、入金までの記録と損益を車両単位で管理するソフトのことです。整備ソフトの売上は作業と部品の伝票ごとに立ちますが、車販では1台の車に仕入価格、陸送費、オークション手数料、商品化の整備や鈑金の費用が積み重なり、売れた時点で初めて粗利が決まります。この積み上げを表計算ソフトで続けると、仕上げ費用の追加や値引きのたびに更新が漏れ、月末になって想定より利益が残っていないと分かることがあります。システムを入れる意味は、在庫車ごとの現在の原価と在庫日数をいつでも同じ画面で見られる状態にすることです。自動車販売と整備をまとめて扱う製品もあり、整備システムのメーカーが車両販売のオプションとして提供している例もあります。

業務中古車販売管理システムが受け持つこと
仕入オークション、下取り、買取、業販からの仕入登録と、仕入価格と諸経費の記録
在庫車両ごとの原価の積み上げ、在庫日数、写真と車両情報の管理
表示と掲載プライスボードと掲載用データの出力、掲載サイトへの連動
商談と契約見積書、注文書、譲渡や登録に必要な書類の作成
納車と入金登録の進み具合、預り金と売上の区分、入金の消し込みと粗利の確定

在庫と粗利を1台ごとに管理する機能

中古車販売管理システムで最初に確かめたいのは、在庫一覧の画面で車両ごとの現在原価と想定粗利、在庫日数が並んで見えるかです。仕入れた後に発生した陸送費や整備、鈑金、保証の原価を、あとから同じ車両に追加できるかも確認します。在庫日数が数字で見えると、値下げや業販に回す判断を感覚に頼らずに済みます。もう1つの確認点は、自動車税や自賠責保険料、リサイクル預託金相当額、登録の印紙代のような預り金を、売上と分けて扱えるかです。預り金が売上に混ざると、月の売上が実態より大きく見えて、粗利率を読み違えます。下取り車を次の在庫として自動で登録できるかや、買取査定の履歴が残るかも、二重入力を減らすうえで差が出るところです。EBEは公式サイトで、EBE車輌販売システムが在庫車両の画像を12枚まで扱い、整備システムと連動して合計請求書を作れると説明しています。

確認すること見る場所足りないと起きること
原価の追加入力在庫車の詳細画面仕上げ費用が漏れ、粗利を多く見積もる
在庫日数の表示在庫一覧長く売れ残る車に気づくのが遅れる
預り金と売上の区分注文書と売上集計月の売上が実態より大きく見える
下取り車の在庫登録下取りの入力画面同じ車両を2回入力する

支払総額表示(2023年10月施行)とプライスボードの出力

中古車の販売価格は、2023年10月1日に施行された自動車公正競争規約と同施行規則の改正により、「支払総額」の名称で表示することになりました。自動車公正取引協議会によると、支払総額は車両価格に、購入時に最低限必要な諸費用を加えた価格で、内訳として車両価格と諸費用の額を示し、登録の時期や地域などの条件を付けた価格であることも表示します。諸費用に入るのは、自賠責保険料、自動車重量税、自動車税、車庫証明と検査登録の法定費用、リサイクル預託金相当額(車両価格に含めない場合)、検査登録と車庫証明の手続代行費用です。定期点検整備や保証を付けて売る場合、その費用は車両価格に含めます。「納車準備費用」のように本来は車両価格に含めるべき費用を諸費用として請求すると、重大な規約違反になると協議会は説明しています。システムでプライスボードや掲載データを作っている店は、これらの項目を正しく出せるかを確かめてください。

区分(自動車公正取引協議会の説明から)例
支払総額に含める諸費用自賠責保険料(月割)、自動車重量税、自動車税(月割)、車庫証明と検査登録の証紙と印紙代、リサイクル預託金相当額、検査登録と車庫証明の手続代行費用
支払総額に含めない費用任意保険料、希望ナンバーの費用、未預託のリサイクル料金、下取車の諸手続代行費用、下取車の査定料
車両価格に含める費用展示時点で付いている装備、付帯して販売する定期点検整備と保証の費用

環境性能割は2026年3月31日で廃止

自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割は2026年3月31日をもって廃止されました。日本中古自動車販売協会連合会は、新車と中古車を問わず令和8年4月1日以降に登録や届出をする車両が対象だと案内しています。システムの諸費用の自動計算や見積書の様式に環境性能割の欄が残っていないか、販売店に確認してください。

注文書と古物台帳など書類作成の機能

中古車の販売で作る書類は、見積書、注文書(自動車売買契約書)とその約款、譲渡証明書や委任状などの登録書類、納品書と請求書、そして古物台帳です。古物営業法第16条は、古物商が売買や交換で古物を受け取ったり引き渡したりしたとき、その都度、取引の年月日、品目と数量、特徴、相手方の住所や氏名などを帳簿か準ずる書類に記載するか、電磁的方法で記録することを求めています。第18条で保存期間は3年と定められ、電磁的方法の記録は営業所ですぐに書面に表示できる状態で保存します。EBEは車輌販売システムがJU適正販売店認定に準拠した注文書S-33Bに対応し、古物台帳を出力できると公式サイトに書いています。スマートカーディーラーは、登録申請書類を作るスマート陸運を別の製品として販売しています。

  1. 1. いま使っている書類を集める

    注文書と約款、登録書類、納品書、請求書、古物台帳の実物を1部ずつ用意します。

  2. 2. デモで同じ書類を出してもらう

    自社の車両と顧客のデータで、同じ書類が出力できるかを画面と印刷の両方で確かめます。

  3. 3. 様式の変更ができるか聞く

    社名の印字、約款の差し替え、インボイスの登録番号の印字ができるかを確認します。

  4. 4. 古物台帳の保存方法を決める

    システムに記録する場合は、3年分を書面ですぐ出せるかを確かめます。

整備システムと顧客台帳を共有するかどうか

整備と車販の両方を行う店では、販売管理と整備管理を1つのシステムで回すか、別々の製品を連動させるかが選び方の分かれ目になります。1つのシステムで回せば、車を売った顧客がそのまま車検案内の対象に入り、同じ人を2つの台帳に登録する手間がなくなります。別々にする場合は、車販に特化した製品の在庫管理や掲載の連動を使える一方で、顧客と車両のデータをつなぐ仕組みが要ります。メーカーの公式記載では、ブロードリーフがMaintenance.cの車両販売オプションとして見積と注文書、在庫管理、原価、仕入を挙げ、ローン連携には信販会社との加盟店契約が別途必要と書いています。タジマの一新多助smart+2は、在庫車管理と代車予約の機能を持ち、同社は中古車のプライスボードを印刷するPriceprint.cも扱っています。JOCARは、カーセンサーや複数のAA会場、他社整備システムなどとの連動を公式に挙げています。

日本カーネットの比較表は整備システム40製品を対象にしていて、新車価格(装備価格)データの欄に○が付いているのはDREAM POWER、JOCAR、ガッチ、extremeの4製品です。車販の機能まで含めて比べたいときは、比較表で候補を絞ったうえで、車両販売の機能をデモで確かめてください。製品ごとの記載は整備システム40製品の一覧にもまとめています。

中古車販売管理システムを選ぶ手順

中古車販売管理システムを選ぶ前に、自社の月間販売台数、常に抱えている在庫の台数、掲載しているサイト、整備部門の有無の4つを書き出しておくと、各社から同じ前提の提案を受けられます。月に数台の販売であれば、整備システムの車両販売機能で注文書と粗利の管理を始め、在庫が常に10台を超えたり、掲載先が増えたりした段階で、在庫と掲載に強い製品を検討する進め方もあります。どちらの場合も、最初から顧客と車両と伝票のデータをCSVで出せる製品を選んでおくと、乗り換えのときに積み上げた台帳を引き継げます。契約形態も確認点の1つで、5年や6年のパック契約か、月払か、買い切りかで途中で見直せる時期が変わります。デモでは、担当者が用意したサンプルではなく、自社の在庫車1台で仕入から注文書の出力までを通し、何分かかるかを測ると違いが分かります。

自社で書き出す条件製品を絞るときの見方
月間販売台数整備システムの車販機能で足りるか、専用の製品が要るか
常時の在庫台数在庫一覧の見やすさ、原価と在庫日数の表示
掲載しているサイト掲載データの連動先と、追加の費用
整備部門の有無整備の顧客台帳と共有できるか
契約の希望パック、月払、買い切りのどれを選べるか

データの引き継ぎ方は整備システムの乗り換えとデータ移行、月払で始める方法は整備システムをリースなし・月払で導入する方法で解説しています。

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整備と車販をまとめて管理したい店、車販を始める整備工場のどちらにも、比較表の40製品から条件に合う候補を整理してご案内します。在庫の台数と掲載先をお聞きしたうえで、専門家が中立の立場でお答えします。

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中古車販売管理システムに関するよくある質問

中古車販売管理システムと整備ソフトは何が違いますか?
整備ソフトは入庫した車の見積、作業、請求、車検の管理を受け持ち、売上は作業ごとに立ちます。中古車販売管理システムは、仕入れた車を在庫として持ち、原価を積み上げて、商談、注文書、登録、納車、入金までを1台ごとに管理します。整備と販売の両方を行う店では、2つが同じ顧客台帳を使えるかが選ぶうえでの大きな分かれ目です。
支払総額表示にシステムの対応は必要ですか?
2023年10月1日に施行された自動車公正競争規約と施行規則の改正で、中古車の販売価格は「支払総額」の名称で、車両価格と諸費用の内訳を添えて表示することになりました。プライスボードや掲載用のデータをシステムから出している店では、支払総額と内訳、登録地域や納車場所の条件を出力できるかを確かめておくと、表示の誤りを防げます。
見積書や注文書に環境性能割の欄が残っていても大丈夫ですか?
自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割は、2026年3月31日をもって廃止されました。日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)は、令和8年4月1日以降に登録や届出をする車両が対象だと案内しています。システムの諸費用の設定や帳票の様式に環境性能割の欄が残っていると誤請求のもとになるため、販売店に更新の状況を確認してください。
古物台帳はシステムで作ってもよいですか?
古物営業法第16条は、古物の取引の記録を帳簿か、それに準ずる書類に記載するか、電磁的方法で記録することを求めています。第18条により、電磁的方法の記録は記録した日から3年間、営業所ですぐに書面に表示できる状態で保存します。システムで記録する場合は、印刷できる形で3年分を取り出せるかを確かめます。
整備工場が車販を始めるとき、専用のシステムは必要ですか?
販売台数が少ないうちは、使っている整備システムの車両販売機能や車販オプションで注文書と粗利を管理できることがあります。在庫の台数や掲載先が増えて手作業が回らなくなった段階で、在庫管理や掲載の連動に強い製品を検討する流れが無理のない進め方です。そのときに備えて、顧客と車両のデータをCSVで出せる製品を選んでおくと移行が楽になります。
整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月確認)。製品の記載は各メーカー公式サイトと日本カーネットの比較表によります。

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提供形態・契約形態・最低契約期間・データ移行など、整備ソフト選びで確認すべき項目を1つの表にまとめました。自社に合うかは専門家に無料で相談できます。

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