ブラウザ型(クラウド)とインストール型の整備システムの違い|選び方の確認点

整備システムを比べると、まず「ブラウザ型(クラウド)」と「インストール型」の違いに行き当たります。ブラウザ型はインターネットにつながればどの端末からでも使え、インストール型は自社のパソコンにソフトとデータを置いて使います。どちらが合うかは、工場の回線の状況、使う端末の数、データをどこに置きたいかで変わります。この記事では、日本カーネットが作成した整備システム40製品の比較表から提供形態とデータの設置場所を集計し、メーカー公式の記載をもとに、ブラウザ型、インストール型、その中間のハイブリッド型の違いと選び方を整理します。

この記事で確認した一次情報:各メーカー公式サイト(ブロードリーフ、JCM、ビジテック、ビ・ブライト、EBE、ディーアイシージャパン、タジマ)、Microsoft(Windows 10のサポート終了)、国土交通省(記録簿の電磁的方法による保存)。集計は日本カーネットの比較表によります。確認日は2026年10月です。

ブラウザ型とインストール型の違い(整備システムの提供形態)

ブラウザ型の整備システムとは、Google ChromeなどのWebブラウザで提供会社のサーバーに接続して使う製品で、ソフトとデータはサーバー側にあります。インストール型の整備システムとは、自社のパソコンにソフトを入れて使う製品で、データは工場内のパソコンやサーバーに保存されます。メーカーの説明にもこの違いが表れています。ブロードリーフはMaintenance.cを「インターネットブラウザ上で顧客車両管理・伝票発行・申請書類作成などができる」クラウド型業務支援システムと説明し、JCMはJOCARについて「個々のパソコンに専用ソフトを入れておく必要がない」と書いています。インストール型では、ブロードリーフのSF.NS3Aiの動作環境にWindows 11 Proと、動作時に常時必要なUSBプロテクタが挙がり、ビジテックのAUTOMAN-ReboはWindowsで動き、ハードキーを採用しています。

比べる点ブラウザ型(クラウド)インストール型
ソフトが動く場所提供会社のサーバー自社のパソコン
データの置き場所提供会社のサーバー自社のパソコンや社内サーバー
使える端末ブラウザが動く端末。製品によりタブレットやスマートフォンインストールしたパソコン。台数や同時利用は契約による
更新の方法提供会社が更新し、利用者の作業は原則不要更新ファイルの適用やバージョンアップの作業が要る場合がある
回線が止まったとき原則として使えない伝票作成など社内で完結する作業は続けられる
パソコンの入れ替えブラウザが動けば影響が小さい再インストールとデータの移し替えが要る

比較表で見るブラウザ型とインストール型の製品数

日本カーネットの比較表で提供形態の欄を集計すると、40製品のうち35製品が「インストール型」、3製品が「ブラウザ型」、2製品が「ブラウザ型/」と表記の途中で切れています。データの設置場所の欄は、33製品が「ローカル」、5製品が「クラウド」です。表記の切れた2製品のうち、スマートカーディーラーはメーカー公式ではWindows用のダウンロード版またはCD-ROM版をインストールする製品として案内されているため、公式の記載に従えばインストール型に数えるのが妥当です。つまり、比較表に載っている整備システムの大半はインストール型で、ブラウザ型は少数派という構成です。ブラウザ型を探すと選択肢が限られる一方、インストール型の中から外出先で使える機能やバックアップの仕組みを持つ製品を選ぶという考え方もできます。製品ごとの提供形態は整備システム製品一覧で確認できます。

比較表の提供形態製品数(40製品中)契約形態と最低契約期間の記載
インストール型35パックが中心。最低契約期間は「5・6年」の記載が多い
ブラウザ型3パック / 月払で5・6年、月払で1年、月払と1年パックで1ヶ月/1年
ブラウザ型/(表記が途中で切れている)2一括(買い切り)、月払で1ヶ月

ハイブリッド型の整備システム(クラウドと社内サーバーの組み合わせ)

ハイブリッド型とは、顧客データや伝票などの本体は社内のサーバーやパソコンに置き、外出先からの閲覧やバックアップなど一部の機能にクラウドを使う構成のことです。比較表の分類ではインストール型に入っていても、メーカー公式ではこの構成を案内している製品があります。EBEは「EBEのハイブリッドクラウド」として、顧客データや経営情報は貴社内のサーバーで管理し、外出先からの在庫確認や過去の整備履歴の閲覧にはクラウド技術を使うと説明しています。DICはWENAS(e-クラウド)について、DICが用意するサーバーでも顧客管理のサーバーでも構築でき、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドも構築できるとしています。タジマは2026年9月15日に、一新多助の画面とMaintenance.cの機能を組み合わせたクラウド製品「Maintenance.c 一新多助+」をリリースしました。

インストール型の整備システムで確認すること

インストール型を選ぶときに確認したいのは、パソコンのOSへの対応、バックアップの方法、法改正のときの更新の3つです。OSについては、Windows 10が2025年10月14日にMicrosoftのサポートを終え、セキュリティ更新が提供されなくなりました。拡張セキュリティ更新(ESU)に登録すると2027年10月12日まで重要な更新を受けられますが、それ以降も使い続けるなら、整備システムがWindows 11で動くかを確かめ、パソコンの入れ替えを計画に入れます。バックアップは、データが工場内にしかない以上、パソコンの故障や災害に備えて別の場所に複製を持つ仕組みが要ります。DICは日々のバックアップデータをDICクラウドサーバーで預かる仁王バックアップサービスを提供しています。法改正への対応は、日本カーネットの比較表の「契約期間のアップデート更新の有無」で確かめられ、○が付いている製品は40製品中9製品です。

日本カーネットのDREAM POWERは、日本カーネットの比較表で提供形態がインストール型、データの設置場所が「クラウド / ローカル」となっている製品です。契約期間のアップデート更新は「○ 無料」、他社切替時のCSV出力も「○ 無料」と記載されています。

ブラウザ型(クラウド)の整備システムで確認すること

ブラウザ型を選ぶときに確認したいのは、回線の安定、推奨ブラウザと端末、料金の計算方法、解約時のデータの扱いの4つです。回線が止まると受付も請求書の発行も止まるので、予備の回線を先に決めておきます。推奨環境はメーカーが公開していて、ブロードリーフはMaintenance.cのブラウザをGoogle Chrome(最新バージョン)としています。料金は月額の基本料のほかに利用量で変わる部分がある製品もあり、ブロードリーフは「別途、従量課金が発生します」と記載しています。解約時のデータについては、CarRideのように解約時のデータ抽出を無料とし、CSV出力を明記している製品もあります。整備の記録簿をクラウドに保存する場合、国土交通省の取扱いでは、検索できること、ほかの媒体へ移せること、作成や更新の日時と作業者を自動で記録すること、バックアップを取ることが求められます。

  • 工場の回線が止まったときの代わりの接続手段(テザリングなど)
  • 推奨ブラウザ、対応するタブレットやスマートフォン、同時に使える台数
  • 月額の基本料に含まれる範囲と、利用量で増える料金の有無
  • 解約時にデータをCSVで受け取れるか、費用はかかるか
  • 記録簿を電子で保存するときの検索、改ざん防止、バックアップの仕組み

ブラウザ型とインストール型の選び方(工場の状況別)

ブラウザ型とインストール型のどちらを選ぶかは、工場の回線、使う人と端末の数、データを社内に置きたいかどうかで考えると決めやすくなります。複数の店舗で同じ顧客データを見たい、営業担当が外出先で見積を作りたいといった使い方が中心なら、ブラウザ型かハイブリッド型が候補になります。工場の回線が不安定な地域や、データを社内に置いておきたい方針の工場では、インストール型が向いています。いずれの形でも、日本カーネットの比較表が重要確認項目に挙げる8項目のうち、他社切替時のCSV出力と契約期間中のアップデートは必ず確かめておきます。乗り換えのときにデータを持ち出せるかどうかは、提供形態より製品ごとの違いが大きいためです。料金の比べ方は整備ソフトの料金・費用相場で扱っています。

工場の状況候補になりやすい形合わせて確かめること
複数店舗で顧客データを共有したいブラウザ型、ハイブリッド型店舗ごとの権限設定と同時利用の台数
外出先やタブレットで見積を作りたいブラウザ型、ハイブリッド型対応端末と、外出先で使える機能の範囲
回線が不安定、データを社内に置きたいインストール型バックアップの方法とOSの対応
パソコン1台で事務を回しているどちらも可パソコン故障時の復旧手順と費用

乗り換えの具体的な進め方は整備システムの乗り換えとデータ移行に、40製品の全体像は整備システム比較表にまとめています。

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工場の回線の状況、使う端末の数、データを社内に置きたいかどうかをお聞きし、ブラウザ型、インストール型、ハイブリッド型の中から比較表の40製品をもとにご案内します。

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ブラウザ型とインストール型に関するよくある質問

ブラウザ型の整備システムは、インターネットが止まると使えませんか?
ブラウザ型は提供会社のサーバーに接続して使うため、回線が止まると原則として使えません。工場の回線とは別に、スマートフォンのテザリングなど予備の接続手段を決めておくと、受付と請求書の発行を止めずに済みます。インストール型は自社のパソコンで動くため、回線が止まっても伝票の作成はできますが、OSS申請や部品の発注などインターネットを使う機能は止まります。
インストール型でもスマートフォンやタブレットから使えますか?
製品によります。EBEはハイブリッドクラウドとして、顧客データは自社のサーバーに置き、外出先からの在庫確認や整備履歴の閲覧にクラウドを使う構成を公式サイトで説明しています。DICもクラウドとオンプレミスを組み合わせた構成を構築できるとしています。使いたい端末と場面を挙げて販売店に確かめてください。
日本カーネットの比較表では、ブラウザ型の製品はいくつありますか?
40製品のうち、提供形態の欄が「ブラウザ型」の製品は3製品、「ブラウザ型/」と途中で切れた表記の製品が2製品で、残る35製品は「インストール型」です。表記が切れている2製品のうち1製品は、メーカー公式ではWindowsにインストールする製品として案内されています。
Windows 10のパソコンでインストール型の整備システムを使い続けてもよいですか?
Windows 10は2025年10月14日にMicrosoftのサポートが終わり、セキュリティ更新が提供されなくなりました。拡張セキュリティ更新(ESU)に登録すれば2027年10月12日まで重要な更新を受けられます。顧客の個人情報を扱うパソコンなので、整備システムがWindows 11で動くかを販売店に確認し、入れ替えの時期を決めておくと安心です。
DREAM POWERの提供形態とデータの置き場所は?
日本カーネットの比較表では、DREAM POWERの提供形態はインストール型、データの設置場所は「クラウド / ローカル」です。どちらの置き方が自社に合うかは、専門家に無料で相談できます。
整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月確認)。製品の記載は各メーカー公式サイトと日本カーネットの比較表によります。

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