整備システムの乗り換えとデータ移行|CSV出力と契約期間、切替の手順

整備システムの乗り換えでいちばん時間がかかるのは、新しい製品選びより、いまのシステムに入っている顧客、車両、伝票のデータをどう移すかです。データを取り出せるか、費用はかかるか、契約がいつ満了するかで、乗り換えの時期も選べる製品も変わります。この記事では、日本カーネットが作成した整備システム40製品の比較表から、CSV出力と最低契約期間の記載を集計し、国税庁と国土交通省の資料で保存義務のある記録を確かめたうえで、整備システムを乗り換えるときの手順を整理します。

この記事で確認した一次情報:国税庁(帳簿書類等の保存期間、電子帳簿保存法一問一答)、国土交通省(記録簿の電磁的方法による保存)、e-Gov法令検索(自動車点検基準)、Microsoft(Windows 10のサポート終了)、各メーカー公式サイト。集計は日本カーネットの比較表によります。確認日は2026年10月です。

整備システムの乗り換えで最初に確認する3つのこと

整備システムの乗り換えで最初に確認するのは、データを取り出せるか、契約がいつ終わるか、保存の義務がある記録をどう残すかの3つです。この3つが分かれば、乗り換えの時期と新しい製品に求める条件がほぼ決まります。データについては、日本カーネットの比較表が重要確認項目の1つ目に「他社切替時のデータ CSV出力機能の有無(顧客・車両・伝票)」を置いています。契約については、比較表の40製品のうち34製品の最低契約期間に「5・6年」の記載があり、満了月を外すと残りの期間の扱いを販売店と話し合うことになります。記録については、法人の帳簿と書類は7年間、点検整備記録簿は車種の点検周期に応じて1年か2年の保存期間が決まっています。旧システムを止める前に、この期間分を読める形で残しておく必要があります。

確認することどこで確かめるか分からないときの聞き方
データを取り出せるか契約書、操作マニュアル、販売店顧客、車両、伝票をCSVで出せるか。費用と解約後の可否
契約がいつ終わるか契約書(リース、パック、月払)満了月と中途解約の条件
保存の義務がある記録社内の会計と記録簿の保管状況新システムに移すか、旧データを別に保管するか

データ移行の範囲(顧客・車両・伝票・記録簿)

データ移行とは、旧システムに登録された顧客、車両、整備伝票、記録簿などの情報を、新しいシステムで使える形に変えて取り込む作業のことです。移す範囲は大きく4つに分かれます。顧客の氏名、住所、電話番号と、車両の登録番号、車台番号、型式、車検満了日は、乗り換え直後の車検案内に使うため優先して移します。整備伝票の履歴は、過去の作業内容と部品を参照するために移したいデータですが、件数が多く項目の対応づけが製品ごとに違うため、移せる範囲と費用に差が出やすいところです。点検整備記録簿や指定整備記録簿は、旧システムの帳票として印刷やPDFで残す方法もあります。日本カーネットの比較表で、他社切替時のCSV出力に○が付いている製品は40製品中5製品で、そのうち4製品は「有料」、1製品は「無料」と書かれています。×は1製品、残る34製品は記載がありません。記載がない製品も出力できないとは限らないため、販売店に直接聞いて確かめます。

データの種類移す優先度確かめること
顧客(氏名、住所、電話番号、メール)高い項目の区切り方(姓と名、住所の分割)が新システムと合うか
車両(登録番号、車台番号、型式、満了日)高い車検満了日と次回点検日が正しく移るか
整備伝票の履歴中くらい何年分を移すか。部品と作業の明細まで移るか
記録簿(点検整備、指定整備)保存期間による新システムに移すか、旧帳票で保管するか
売掛金と未収の請求高い切替日の残高を手入力するか、締めてから切り替えるか

メーカーの公式サイトにもデータの扱いが書かれている例があります。EBEは整備システムの特長に「入力した顧客・車輛・伝票データ所有権はシステム利用者」を挙げています。CarRideは「解約時のデータ抽出が無料」「各種データをCSV出力」と記載し、データ移行を有料オプションとして示しています。日本カーネットのDREAM POWERは、比較表のCSV出力が「○ 無料」です。

最低契約期間と解約のタイミング

整備システムの乗り換え時期は、いまの契約の満了月で決まることが多くなります。日本カーネットの比較表で最低契約期間を集計すると、40製品中34製品に「5・6年」の記載があり、そのうち2製品は「5・6年 / 1年」と1年の契約も選べる書き方です。ほかに「1年」が1製品、「1ヶ月/1年」が1製品、「1ヶ月」が1製品、買い切りを示す「一括」が3製品あります。契約形態は「パック」の記載が中心で、月払の記載がある製品は6製品です。5年や6年の契約は、途中で解約すると残りの期間の支払いが発生する場合があるため、条項の確認が先になります。乗り換えを考え始めたら、契約書で満了月と中途解約の条項を確かめ、満了の半年ほど前から新しい製品の比較を始めると、データ移行の準備と並行稼働の期間を取れます。リースを使わずに導入したい場合は、比較表の契約形態の欄を見て月払や1年契約を選べる製品を候補に入れます。

比較表の最低契約期間の記載製品数(40製品中)
5・6年32
5・6年 / 1年2
1年1
1ヶ月/1年1
1ヶ月1
一括(買い切り)3

料金や契約の違いを詳しく比べたいときは、整備ソフトの料金・費用相場も参考になります。

保存義務のある記録と旧システムの扱い

旧システムを解約する前に、保存の義務がある記録をどこに残すかを決めておきます。国税庁は、法人は帳簿とその取引に関して作成または受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならないとしています。青色申告で欠損金がある事業年度などは10年です。整備伝票の控えや請求書もこの書類に当たるため、旧システムで発行した分は7年間たどれる状態にしておきます。電子取引で受け取ったデータは、電子帳簿保存法に沿って電子のまま保存します。記録簿は自動車点検基準などで保存期間が決まっていて、自家用乗用車の点検整備記録簿は2年、特定整備記録簿と指定整備記録簿も2年です。国土交通省の取扱いでは、記録簿を電子で保存する場合、検索できること、ほかの媒体へ移せること、作成や更新の日時と作業者を自動で記録すること、バックアップを取ることなどが求められています。

古いパソコンで旧システムを動かし続けるときは

Windows 10は2025年10月14日にMicrosoftのサポートが終わり、セキュリティ更新が提供されなくなりました。拡張セキュリティ更新(ESU)に登録すると2027年10月12日まで重要な更新を受けられます。旧システムを参照用に残すなら、インターネットから切り離して使うか、必要なデータを書き出して保管する方法を検討してください。

整備システムを乗り換える手順(8段階)

整備システムの乗り換えは、旧システムの棚卸しから旧データの保管まで、8つの段階で進めると漏れが出にくくなります。中心になるのは、旧システムから出せるデータの形式と、新システムが読み込める形式を突き合わせる作業です。顧客の住所が1つの欄に入っているか都道府県と市区町村で分かれているかといった違いでも、移行後の宛名印刷に影響します。全件を移す前に、数十件のテスト移行で車検満了日や電話番号が正しく入るかを確かめると、本番での手戻りを減らせます。月末の締めと請求書の発行を新システムで1回通すまでは、旧システムを止めずに並行して使うのが安全です。切替日は、車検の繁忙期と年度末の締めを避けて決めると、並行稼働の期間を取りやすくなります。

  1. 1. 旧システムの棚卸し

    登録件数(顧客、車両、伝票)、使っている帳票、連携している外部サービスを書き出します。

  2. 2. 契約の確認

    満了月、中途解約の条件、リースの対象機器を契約書で確かめます。

  3. 3. 旧メーカーへの確認

    CSV出力の可否、出力できる項目、費用、解約後の出力可否を問い合わせます。

  4. 4. 新システムの候補選び

    取り込める形式と移行の費用、移行作業を誰が行うかを候補ごとに確認します。

  5. 5. テスト移行

    数十件で取り込みを試し、満了日、電話番号、住所の分かれ方を確かめます。

  6. 6. 本番の移行と切替日

    月末の締めの後など、売掛金の残高を確定しやすい日を切替日にします。

  7. 7. 並行稼働

    1回の締めと請求書の発行、車検案内の出力を新システムで通します。

  8. 8. 旧データの保管

    保存期間が残る伝票と記録簿を、印刷、PDF、CSVのいずれかで保管します。

提供が終了した製品から乗り換える場合は、旧メーカーに手順を聞けないことがあります。エールシステムは、UNIPro2のサービスが2026年4月30日で完全に終わり、製品に関する問い合わせを原則受け付けないと告知しています。詳しくはUNIPro2Xの提供終了と乗り換え先の選び方をご覧ください。

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いまお使いの整備システムの名前と契約の満了時期をお聞きし、データをどこまで移せそうか、乗り換え先の候補はどれかを一緒に整理します。比較表の40製品の情報をもとに、中立の立場でご案内します。

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整備システムの乗り換えに関するよくある質問

いまの整備システムから顧客データを取り出せるか、どこで確かめればよいですか?
まず契約書と操作マニュアルでデータの出力機能を確認し、記載がなければ販売店に「顧客、車両、伝票をCSVで出力できるか」「費用はかかるか」「解約後も出力できるか」の3点を聞きます。日本カーネットの比較表では、他社切替時のCSV出力に○が付いている製品は40製品中5製品で、そのうち4製品は有料、1製品は無料と記載されています。記載のない製品が出力できないとは限りません。
整備伝票の履歴は全部移す必要がありますか?
全部を新しいシステムに移す必要はありませんが、保存の義務がある期間の記録は読める状態で残します。法人の帳簿と書類は、確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存が原則です(国税庁)。自家用乗用車の点検整備記録簿は2年、特定整備記録簿と指定整備記録簿も2年の保存です。新システムに移さない分は、旧システムから書き出したデータや印刷物で保管します。
リース期間の途中で乗り換えるとどうなりますか?
リース契約やパック契約の途中解約の扱いは契約ごとに違うため、契約書の中途解約の条項と残りの期間を先に確認します。日本カーネットの比較表では、最低契約期間に「5・6年」と書かれた製品が40製品中34製品あります。満了月から逆算して、新しいシステムの導入日を決めるのが一般的な進め方です。
新旧のシステムを並行して使う期間はどのくらい必要ですか?
決まった期間はありませんが、少なくとも1回の月末締めと請求書の発行を新システムで通してから旧システムを止めると、帳票の不足や設定の誤りに気づけます。車検の案内状を出す月をまたぐと、満了日のデータが正しく移ったかも確かめられます。
提供が終わった整備システムから乗り換えるときの注意点は?
提供元のサポートが終わっていると、データ出力の手順を聞けないことがあります。たとえばエールシステムのUNIPro2は2026年4月30日で利用が終わり、製品に関する問い合わせは原則受け付けないと公式に告知されています。データを取り出す方法は、乗り換え先の販売店や専門家に早めに相談してください。
整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月確認)。製品の記載は各メーカー公式サイトと日本カーネットの比較表によります。

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