DICの整備システム「一等書記官」シリーズ|電子車検証・OSS・インボイスへの対応

一等書記官は、長野県に本店を置くディーアイシージャパン株式会社(DIC)の整備システムのシリーズ名です。1982年に元祖となる「ちからもち」システムを出してから40年以上続く製品で、現在は「新一等書記官」の名前で認証工場から多店舗展開の指定工場までを対象にしています。電子車検証やOBD検査、車検の2か月前申請といった制度の変更が続くなかで、どこまで対応しているかを確かめたいという声が増えています。この記事では、2026年10月にDICの公式サイトで確認できた記載をもとに、一等書記官シリーズの機能と制度への対応、クラウドサービスWENASの構成を整理しました。

この記事で確認した一次情報:DICの会社概要と沿革、整備システム(新一等書記官)の製品ページと製品LP、OSS&e-HOTEKI、WENAS(e-クラウド)、仁王バックアップサービスの各ページ、IT導入補助金2021のお知らせ。確認日は2026年10月です。

ディーアイシージャパン(DIC)の会社概要

ディーアイシージャパン株式会社は、昭和57年9月創業、資本金1億円、代表取締役は小坂誠氏です。本店は長野県上水内郡信濃町にあり、ほかに須坂市の長野本社と東京本社を置き、全国に33拠点を構えています。会社概要の事業内容には「新一等書記官シリーズの開発と販売」と「e-クラウド/WENASシステム」が挙がっています。沿革によると、1982年に一等書記官システムの元祖である「ちからもち」システムをリリースしました。日本カーネットの比較表でも、本社所在地は長野県、創業は1982年9月、資本金は10,000万円と記載されており、公式の内容と一致します。対応エリアは比較表で全国です。

比較表の会社の特徴欄には環境研究部門の立ち上げについての記述もあります。整備システムの選定に直接関わる情報ではないため、この記事では製品の機能に絞って説明します。

新一等書記官の主な機能(受付から検査まで)

新一等書記官は、公式ページで「認証工場から多店舗展開の指定工場まで、すべての業務を網羅」と説明されている整備システムです。製品ページに並ぶ機能は18項目あり、受付と顧客管理、予約と電話対応、検査と記録、販促と営業管理などの領域にまたがっています。たとえば受付まわりには、世帯管理、入庫実績表示、ユーザーランク別色表示、AIナンバー認識来店システムが並んでいます。製品LPでは「車両法・インボイス制度をはじめ、各種法律にのっとった自動車整備ソフト」と紹介されています。鈑金見積、検査ライン、会計などの外部システムとも連動できると書かれています。

業務の領域公式ページに載っている機能
受付と顧客管理世帯管理、入庫実績表示、ユーザーランク別色表示、AIナンバー認識来店システム
予約と電話対応入庫車両予約管理(スケジュール予約管理)、WEB予約システム、CTIシステム(電脳秘書官)
検査と車検検査ライン連動、OBD対象車判定、車検2ヶ月前申請対応
車両と契約の管理特定自主検査車両管理(架装部アワメーター管理)、メンテパック管理
販促と営業SMS送信、営業管理ツール(対応履歴プラス)
申請とデータ保管電子車検証連動、OSS & e-HOTEKI、データ保管サービス(仁王バックアップサービス)

特定自主検査車両の架装部アワメーター管理は、架装部を持つ車両を扱う工場向けの機能と読めます。自社の入庫車種に照らして、要る機能と要らない機能を分けておくと見積の比較がしやすくなります。

一等書記官の電子車検証・OBD検査・車検2か月前申請への対応

新一等書記官は、電子車検証、OBD検査、車検を満了日の2か月前から受けられる制度という3つの変更について、それぞれ対応する機能を製品ページに載せています。電子車検証は「電子車検証連動」で、車検証閲覧アプリと連携して車両情報の新規登録、変更や訂正、照会を自動で判別します。OBD検査は「OBD対象車判定」で、OBD対象車両かどうかを自動で判定し、保安基準適合証を発行するときにも対象車両であることを明示します。車検を2か月前から受けられる制度には、「車検2ヶ月前申請対応」の機能で対応しています。インボイスは主な機能の一覧に「インボイス対応」と書かれています。

制度公式ページの機能名公式の説明
電子車検証電子車検証連動車検証閲覧アプリと連携し、新規登録、変更・訂正、照会を自動判別
OBD検査OBD対象車判定対象車両かを自動判定し、保安基準適合証の発行時にも明示
車検の2か月前申請車検2ヶ月前申請対応車検を満了日の2か月前から受けられる制度に対応
インボイス制度インボイス対応製品LPに「車両法・インボイス制度をはじめ、各種法律にのっとった」と記載

インボイスの経過措置は、仕入税額控除の割合が80%、70%、50%、30%の4段階で縮小していきます(令和8年4月の改訂後)。請求書の様式が対応していても、免税事業者からの仕入れの扱いは別に確認が必要です。各社の対応を見比べる方法は電子車検証・OSSに対応した整備システムの見分け方にまとめています。

一等書記官のOSS&e-HOTEKI(継続検査と電子保適)

OSS&e-HOTEKIは、自賠責保険の発行、電子保安基準適合証の交付、継続検査の申請を同じシステムの上で行うDICのサービスです。公式ページでは、インターネット上で一括処理が行えると説明され、「クラウド型を採用しているので24時間365日」使えると書かれています。指定工場では、検査が終わってから電子保適を交付し、OSSで継続検査を申請するまでの流れを1つの画面で進められるかどうかが、事務の手間を左右します。日本カーネットの比較表でも、一等書記官シリーズのOSSの欄は○です。OSSの手続きの全体像は自動車OSSの解説サイトで確認できます。

なお、OSS&e-HOTEKIはクラウド型のサービスですが、整備システム本体の提供形態とは別の話です。本体をどこに置くかは次のWENASの節で説明します。

WENAS(e-クラウド)と仁王バックアップサービス

WENAS(e-クラウド)は、一等書記官の整備システムをインターネット回線で使うためのDICのクラウドサービスです。公式ページによると、サーバーはDICが提供するものでも、利用者の側で管理するものでも構築でき、クラウドとオンプレミスを組み合わせた、いわゆるハイブリッドの構成もできます。日本カーネットの比較表は一等書記官シリーズをインストール型、データの設置場所をローカルと記載していますが、公式ではこうした構成の選択肢も示されています。データの保管については「仁王バックアップサービス」があり、日々のバックアップデータをDICクラウドサーバーで預かると説明されています。

自社にサーバーを置くか、DICのサーバーを使うかで、停電や回線障害のときの影響と、パソコンを入れ替えるときの手間が変わります。一般的な違いはブラウザ型とインストール型の違いで整理しています。

一等書記官を導入する前に確認すること

一等書記官は公式サイトに価格が載っておらず、比較表でも最低契約期間が5・6年と1年の2通りあるため、見積の段階で契約の年数と月額を確定させることが出発点になります。もう1つ確かめておきたいのが、比較表で「-」になっているCSV出力とアップデートの扱いです。将来ほかのシステムへ移るときに顧客、車両、伝票のデータを出せるか、制度変更の更新が保守料に含まれるかは、導入後に変えにくい条件です。全国33拠点のどこが担当になるかも、訪問サポートの受けやすさに関わるので、最寄りの拠点を聞いておきます。乗り換えの手順は整備システムの乗り換えとデータ移行にまとめています。

  1. 1. サーバーの置き場所を決める

    自社のパソコンやサーバーで使うか、WENASでDICのサーバーを使うか、両方を組み合わせるかを決めます。

  2. 2. 必要な機能を選ぶ

    18の機能のうち、CTIや来店システム、アワメーター管理など自社に要るものを見積に入れます。

  3. 3. 契約年数と月額を確定する

    比較表では5・6年と1年の2通りの記載があります。どちらの契約かを書面で確認します。

  4. 4. CSV出力と更新の扱いを聞く

    比較表では記載がない項目です。データの持ち出しと、法改正対応の費用を確認します。

  5. 5. 補助金の登録状況を確かめる

    2026年度の登録状況は公式で確認できませんでした。申請するなら販売店に確認します。

ランキング形式でほかの製品も眺めたい場合は、自動車整備ソフトランキングの見方も参考になります。

全40製品の整備システム比較表を無料でダウンロード

一等書記官シリーズを含む40製品の提供形態、契約形態、最低契約期間と8項目の対応状況を、同じ表でご覧いただけます。電子車検証やOSSの使い方に合わせて候補を絞りたい場合は、業務の流れをお聞きしたうえでメーカーをまたいで整理するご相談もお受けしています。

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一等書記官に関するよくある質問

一等書記官はどこの会社の整備システムですか?
ディーアイシージャパン株式会社(DIC)の整備システムです。会社概要によると創業は昭和57年9月、資本金は1億円で、本店は長野県上水内郡信濃町にあり、全国33拠点を構えています。沿革には、1982年に一等書記官システムの元祖である「ちからもち」システムをリリースしたと書かれています。
新一等書記官は電子車検証に対応していますか?
公式の整備システムのページに「電子車検証連動」の機能が載っています。車検証閲覧アプリと連携し、車両情報の新規登録、変更や訂正、照会を自動で判別すると説明されています。日本カーネットの比較表でも電子車検証の欄は○です。電子車検証の制度は電子車検証の解説で確認できます。
一等書記官はクラウドでも使えますか?
DICは整備システムをインターネット回線で使うクラウドサービスとして「WENAS(e-クラウド)」を提供しています。サーバーはDICが提供するものと、利用者の側で管理するもののどちらでも構築でき、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドの構成も可能だと公式に書かれています。日本カーネットの比較表はインストール型、ローカルと記載しているため、公式の記載とあわせて確認してください。
一等書記官の価格は公開されていますか?
2026年10月に確認した時点では、DICの公式サイトに価格は載っていません。カタログはダウンロードの申込制です。日本カーネットの比較表では、契約形態はパックと月払、最低契約期間は5・6年と1年の2通りと記載しています。料金の比べ方は整備ソフトの料金・費用相場で扱っています。
一等書記官はIT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)の対象ですか?
DICの2021年4月21日のお知らせに、IT導入補助金2021で「IT導入支援事業者」に採択され、整備業システム「一等書記官」がITツールとして登録されたと書かれています。2026年度の登録状況は公式の一次情報で確認できませんでした。日本カーネットの比較表でも補助金の欄は「-」(記載なし)です。申請を考える場合は、販売店に今年度の登録状況を確認してください。
整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。

参考にした一次情報

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月確認)。機能の名称と内容はDICの公式ページの表記によります。

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