車検の見積書の書き方|法定費用(2026年11月時点)と工賃の分け方、説明のコツ
車検の見積書は、法定費用と工賃を分けて書くと、お客様に「思ったより高い」と言われたときに説明しやすくなります。2026年は検査手数料、自動車重量税、自賠責保険料が続けて改定されたので、古いテンプレートのままでは金額が合いません。この記事では、車検の見積書に入れる項目、法定費用の最新の書き方、点検後に追加になる部品の扱い、見積と請求の差を防ぐ進め方を説明します。
この記事で確認した一次情報:国土交通省(自動車重量税額、手数料令の改正)、中国運輸局(法定手数料の変更)、損害保険料率算出機構(自賠責保険基準料率)。金額の確認日は2026年10月です。契約や検査の前に最新の情報を確かめてください。
車検の見積書に入れる項目と配置
車検の見積書は、車両、点検の工賃、交換部品、法定費用、代行料、追加の可能性の6つに分けると読み取りやすくなります。車両の欄には、登録番号、車名、型式、初度登録年月、車検の満了日、走行距離を入れます。初度登録年月は自動車重量税の金額を決めるので省けません。工賃と部品と代行料には消費税が掛かり、法定費用には掛からないため、枠を分けておくと請求書にもそのまま移せます。整備全般の見積書の配置や工賃の出し方は、自動車整備・修理の見積書テンプレートで説明しています。
| 枠 | 書くこと |
|---|---|
| 車両 | 登録番号、車名、型式、初度登録年月、満了日、走行距離 |
| 点検の工賃 | 24か月点検、下回り洗浄など。含む作業の範囲 |
| 交換部品 | 品名、数量、単価。必須の部品だけを合計に入れる |
| 法定費用 | 自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料 |
| 代行料 | 検査の代行にかかる料金(消費税の対象) |
| 追加の可能性 | 点検の結果で必要になる作業の目安(合計に入れない) |
車検の法定費用の書き方(2026年11月時点)
車検の法定費用は、自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料の3つです。2026年は3つとも変わりました。検査手数料は4月1日から、自動車重量税は5月1日以後の継続検査から、自賠責保険料は11月1日以後に保険期間が始まる契約から、新しい金額です。自賠責保険料は平均で6.2%の引き上げで、車検の日ではなく保険の始まる日で新旧が分かれます。たとえば自家用乗用自動車の24か月は17,650円から18,560円になりました。工場の見積書やシステムのマスタが古いままだと、法定費用だけで金額が合わなくなるので、改定の時期に合わせて見直してください。
| 法定費用 | 区分 | 金額の例 |
|---|---|---|
| 自賠責保険料(24か月、2026年11月1日以後の始期) | 自家用乗用自動車 | 18,560円 |
| 自賠責保険料(24か月、2026年11月1日以後の始期) | 軽自動車 | 18,660円 |
| 自動車重量税(2年、1.0t超1.5t以下、エコカー外・13年未満) | 自家用乗用自動車 | 24,600円 |
| 検査手数料(指定工場) | 普通・小型・軽 | OSS 1,850円、窓口 2,100円 |
| 検査手数料(持ち込み) | 普通 2,600円、小型と軽 2,500円 | 国の検査場へ持ち込む場合 |
自動車重量税は車両重量、エコカーの区分、経過年数で変わります。登録車の13年経過は初度登録年月から12年10か月後の月の1日以後が目安なので、満了日が近い車は国土交通省の税額表で確かめます。
点検後に追加になる部品の書き方
車検の見積りで後からもめやすいのは、点検してみないと分からない部品です。タイヤ、バッテリー、ブレーキパッドのように点検の結果で交換が決まるものは、合計に入れず、「点検の結果、交換が必要な場合の目安」として別の枠に書きます。合計に入れてしまうと高く見え、入れないまま請求すると話が違うと言われます。別の枠に書いておけば、点検のあとで写真を見せながら、やる作業とやらない作業をお客様に選んでもらえます。今回は交換せず次回に回す部品があれば、残り溝などの測定値と一緒に記録し、次回の案内に使うと入庫につながります。
- 必須の作業と部品:合計に入れる
- 点検の結果で変わる作業と部品:別の枠に目安を書く
- 次回でもよい部品:測定値とともに記録し、次回の案内に使う
車検の見積書で守ること(認証工場の遵守事項)
認証工場には、道路運送車両法施行規則第62条の2の2で、料金の掲示や概算見積りについての決まりがあります。依頼者に必要な整備の内容とその必要性を説明し、料金の概算見積りを書いた書面を渡すか電磁的記録で提供すること、行っていない点検や整備の料金を請求しないこと、依頼されていない点検や整備を不当に行って料金を請求しないことが定められています。見積書を渡す前に作業を進めない、見積にない作業は承諾を得てから追加する、という2つを工場の手順にしておけば、自然に守れます。詳しくは見積書テンプレートの解説をご覧ください。
車検の見積書をお客様に説明する順番
車検の見積書は、合計から説明すると高く聞こえます。先に法定費用を示し、どの工場でも同じようにかかる費用だと伝えてから、工賃と部品を説明すると話が進みます。部品は、安全のために今回必要なものと、次回でもよいものに分けて、理由を1つずつ添えます。写真や測定値があると、お客様は自分で判断しやすくなります。代行料は何の対価なのかを聞かれやすい項目なので、検査場への持ち込みや書類の作成を含むことを説明できるようにしておきます。見積の控えは作業の承諾の記録にもなるので、追加の作業を承諾してもらった日時と一緒に残してください。
1. 法定費用
自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料を先に示します。
2. 点検の工賃
24か月点検に含む作業の範囲を伝えます。
3. 必要な部品
交換する理由を測定値や写真とともに伝えます。
4. 次回でもよい部品
残りの目安を伝え、今回はやらない選択も示します。
5. 合計と承諾
合計を確認し、作業の承諾を記録します。
車検の見積書をエクセルから整備ソフトへ切り替える目安
エクセルの見積書で困り始めるのは、法定費用の改定と、見積から請求への打ち直しです。整備ソフトなら、車検証の情報から型式や初度登録年月を取り込み、法定費用を区分して計算し、見積をそのまま整備伝票と請求書に移せます。ただし法定費用のマスタがいつ更新されるかは製品で違うので、改定のときの対応を確かめてください。月に数台ならエクセルで足りることもあります。切り替えを考える目安は、同じ内容を見積と請求で2回打っている、法定費用の入れ間違いが起きた、前回の見積を探すのに時間がかかる、のどれかに当てはまったときです。
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見積から請求までつながる整備ソフトを、40製品の比較表で探せます。電子車検証の読み取りの対応状況も確かめられます。
車検の見積書に関するよくある質問
- 車検の見積書には何を書きますか?
- 車両の情報、点検の工賃、交換部品、法定費用、代行料、点検後に追加になるかもしれない作業の6つを分けて書きます。
- 法定費用はいつの金額で書けばよいですか?
- 自賠責保険料は保険期間の始まる日で新旧が分かれ、2026年11月1日以後に始まる契約から新しい料率です。検査手数料は2026年4月1日、自動車重量税は2026年5月1日からの額を確かめます。
- 見積と請求の金額が変わってもよいですか?
- 変わる場合は、作業の前にお客様へ説明し、承諾を得ます。見積にない作業は、承諾を得てから追加します。
- 見積書は紙で渡さないといけませんか?
- 認証工場の遵守事項では、概算見積りを書いた書面を渡すか、電磁的記録で提供するとされています。
- 整備システムと車両販売システムは、まとめて選んだほうがよいですか?
- 車検・点検の入庫と中古車・新車の販売を両方行う工場では、自動車整備システム(自動車整備ソフト)と車両販売システム(車販ソフト)が同じ顧客データを使えるかを確かめると二重入力が減ります。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなし(月払)で始められるかも確認してください。
参考にした一次情報
- 国土交通省 自動車重量税額について:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html
- 中国運輸局 自動車の登録・検査の法定手数料変更について:https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000371136.pdf
- 損害保険料率算出機構 自賠責保険基準料率:https://www.giroj.or.jp/ratemaking/cali/
- e-Gov法令検索 道路運送車両法施行規則:https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800074
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